鍼治療ってどんな効果があるの?

鍼治療ってどんな効果があるの?
「鍼治療」と聞いて、皆さんはどんなことを想像しますか?
・そもそも鍼治療は何をするのか
・鍼治療は効くのか
・どんな症状に効くのか ・痛くないのか そもそも鍼を受けたことがない方が大半なのではないでしょうか。日本における鍼灸の年間受療率はおよそ5~7%。 まだまだ鍼治療を受けたことのない人が日本人口の大多数を占めています。しかし鍼灸治療は、いまや世界保健機構(WHO)からさまざまな症状に効果があると認め られている、世界中で認められた治療方法です。今回は鍼治療のメカニズムとその効果についてお伝えしていきます。

 

鍼治療とは

鍼治療とは、皮膚や筋肉にステンレス製または銀製の鍼を刺すことで、体の不調や症状の改 善を目指す治療です。

国家資格試験である「はり師」「きゅう師」が施術資格を保有しています。

鍼灸の資格を取得するには、3~4年制の鍼灸専門学校、もしくは鍼灸学科がある大学に進 学する必要があります。

3~4年間、座学や実技試験を学んだ後、国家試験を受験し合格した者が実際に鍼や灸を行 うことができます。

鍼治療の様々

鍼治療と聞くと、「ツボ」「東洋医学」と言う言葉を思い浮かべる方も多いと思います。 ひとえに鍼治療といってもやり方は様々で、治療方法は多岐に渡ります。

今回は東洋医学的な鍼治療と、当院が行なっているトリガーポイント治療についてお話し します。

鍼治療の仕組みとその効果

東洋医学的な鍼灸治療の仕組み

東洋医学では、人のカラダを構成する基本的な要素は「気・血・水」だと考えられています。

気はエネルギー、血はカラダの中を流れる赤い液体(血液)、水はカラダの中を流れる血以 外の液体をさしています。
どれかの成分が不足したり、停滞したりして、この 3 つの要素のバランスが崩れるとカラ ダに不調が起きると考えています。

では、「気・血・水」についてもう少し細かく見ていきます。

気とは

「気」は人間が生きていく上でとても大切な要素のひとつと考えられています。みなさんも よく「元気になる」「気が滅入る」など気というワードの入った言葉をよく使うことがある と思います。気は生きるためにもっとも必要なエネルギーを意味しています。 気は不足するとエネルギー不足になるため、体が疲れやすくなったり、やる気が起こらなく なったりします。 気が滞ると、エネルギーのめぐりが悪くなる、ということなのでイライラしたり、やる気が なくなったりします。

血とは

「血」はカラダの中を流れる赤い液体のことで、西洋医学でいう血液などの栄養物質を指し ています。

「血」には活動を充実させ、全身に栄養を運んでカラダを潤す働きがあります。 「血」が十分にカラダに巡っていると、顔色は明るく、肌や髪の毛がうるおい、カラダの動 きもよくなります。 また、精神状態が安定し、どんなことでも前向きに取り組むことができます。

「血」が不足すると栄養不足になったり、乾燥肌になったり、目が疲れやすくなったり、涙 も出にくくなります。「血」の流れが滞ると肩こりや腰痛、頭痛がおきたり、シミやあざが できやすくなります。

水とは

東洋医学で考える「水」は血液以外の唾液・汗・リンパ液などの身体の中を流れる水分のこ とを指しています。「水」は、カラダ全体に水分を行き渡らせるため、肌・関節・臓器などにうるおいを与えます。
「水」はカラダの中の余分な熱を抑え、汗や尿として排出する働きもあります。 カラダの中の「水」が不足すると、乾燥するため、喉が乾いたり、肌荒れが起きたり、便秘 になったりすることもあります。逆に身体の中の「水」の流れが滞るとむくんだり、下痢を 起こしたり、鼻水が出たりします。 「水」が不足する原因は、食生活の乱れや、食事の不足が考えられますが、働きすぎや運動 しすぎなども原因になることがあります。カラダに「水」が滞る原因は、水分のとりすぎや 冷たいもののとりすぎです。また甘いものや脂っこいもののとりすぎが原因になることも あります。この「気・血・水」のバランスが保たれている状態が健康な状態であり、「気・血・水」の バランスの崩れ方によって、様々な治療法が定められています。鍼灸治療では、そのバランスを保つために「ツボ」というものを使い、症状を改善させてい きます。

 

ツボとは

身体のバランスを保つ為に重要な「気・血・水」ですが、そのうちの「気・血」が体内を巡 るための通り道のことを「経路(けいろ)」と呼びます。 これこそが、みなさんが良く耳にする「経穴(ツボ)」が集まってできたものなのです。

気は、全身に張り巡らされている「経路」を通って臓器や筋肉・皮膚に栄養を与えています。

ツボを刺激することで経絡を流れる気を調整し、気の流れがスムーズになると経絡とつな がる臓器や筋肉・皮膚が活性化されて、体調が整います。

逆に、その経路を流れる気が滞ると臓器や筋肉・皮膚に栄養を送れなくなり、様々な不調が 起こります。

そのツボを刺激する方法として、鍼を使うというわけです。

トリガーポイント治療とは

一方、当院が行なっているトリガーポイント治療とは何なのかお話ししていきます。

まず、身体には筋膜という膜が全身を覆っています。 そして、筋肉と筋膜はミルフィーユのような層構造を成しています。

過度な運動や、同一姿勢、ストレスなどにより血流が不足し、筋肉と筋膜が癒着していきま す。
この癒着した場所がトリガーポイントです。 トリガーポイントには「痛みの引き金」という意味があります。

トリガーポイントの特徴としては、不調のある場所や痛い場所=トリガーポイントではないという所にあります。

筋膜は全身を 1 枚で覆っている為、トリガーポイントによって筋膜が引っ張られた先に不調や痛みが出ている、ということもあります。

当院では、トリガーポイントを鍼で破壊し、自然治癒力を引き出す事で症状を改善していきます。

 

鍼治療の効果

鍼治療の仕組みは、ツボを使った治療もトリガーポイント治療も同じです。 鍼によって「人間が本来持つ力」を引き出すことにより効果をもたらしています。

鍼治療がもたらす代表的な効果としては、以下のようなものが挙げられます。

・血行促進効果:血管を拡張させ、血行を促す効果

・生体機能調整効果:人間の体内器官や組織を回復させる効果

・免疫活性化効果:鍼灸の作用による白血球の増加により、体内の免疫機能が活性化され感 染症等などにかかりにくくする効果

人間の体には、病気や傷を自身の力で治す自然治癒力や、病気から体を守る免疫力が備わっ ています。
鍼灸の施術では、人間が持つこの力を利用しています。

鍼によって、皮膚や筋肉に微細な傷を付けることで、人間の体から自然治癒力や免疫力を引 き出し、不調の改善を目指します。

また、鍼で皮膚や筋肉へ刺激を受けると、身体の中の「自律神経」が反応します。

自律神経は、体のあらゆる器官を調整する働きを持つため、鍼を使う事で臓器を活性化させ たり血流を促進させたりすることができます。

つまり、皮膚や筋肉への刺激によって人間が本来持つ力を活性化させ、「血行促進作用」「生 体機能調整作用」「免疫活性化作用」を高めていく事が鍼灸の効果の仕組みなのです。

鍼治療が有効な症状とは

鍼灸の施術が有効な症状は多岐にわたります。

・運動器系疾患:肩こり、腰痛、五十肩、腱鞘炎、頸椎症(けいついしょう) など

・消化器・呼吸器系疾患:慢性胃炎、便秘、下痢、気管支喘息、食欲不振、鼻炎 など

・疼痛性疾患:頭痛、坐骨神経痛、術後疼痛 など

・循環器系疾患:冷え性、低血圧による症状、高血圧症 など

・感覚器系疾患:眼精疲労、メニエール病、難聴、耳鳴り など

・泌尿器・産婦人科系疾患:更年期障害、月経異常 など

・自律神経症状:自律神経失調症、不眠症、アレルギー など

鍼灸による「血行促進効果」「生体機能調整効果」「免疫活性化効果」は、肩こりから自律神

経症状まであらゆる症状に効果をもたらします。

鍼灸は上記のような症状以外に、「何となくだるい」「ストレスが溜まっている」というよう な場合にも効果をもたらします。

「病院にいっても症状が改善しない」「マッサージをしても効果が継続しない」等、様々な 身体の不調にお悩みの方、一度鍼治療を試してみませんか?